第1896話:ロータス(=蓮)効果

2018年9月14日 

新品の衣類の多くは撥水加工がされております。撥水加工は目には見えないミクロレベルで細かな突起状のものが生地についていて、水は表面張力により弾かれるという仕組みだそうです。生地に撥水加工をすると“丈夫で長持ち”“汚れにくい”“生地が織りやすい”“艶が出る”“汗ジミが出ない”などの効果があります。当然その後染色することを想定していないので撥水する生地を染めるのは大変です。
通常絞り染は染料を水(お湯)に溶かし、60℃以上の温度の水溶液中に衣類を浸し撹拌しながら染色しますので撥水が弱まった状態になるため撥水がかかっている生地が全く染まらないというわけではなく染まる場合がほとんどです。ですが染まり方が弱かったり、撥水加工がきつくかかっていて撥水がムラに残っている場合はムラに染まってしまう場合があります。
問題は雪花絞りのように撹拌をせずに染料を吸収させ、吸い上げることで模様を生み出すような染色方法に撥水加工がされている生地を使うと思ったような模様や色を出すことはできません。
「それでも、ムラになっても構わないから染めてほしい」という場合は染めさせていただいてます。

本日は「ロータス(=蓮)効果」

▼この生地もかなりきつく撥水加工がされています。

▼蓮の葉も同じ原理で水がコロコロと弾かれて落ちる際、泥や小さな昆虫なども一緒に落ちることで葉をきれいに保っているそうです。そしてこの効果をロータス(=蓮)効果と呼ぶそうです!

撥水加工を分解する方法もあれば何度か洗えば撥水が弱くもなってきます。ですが手をかければかける程生地も傷みコストも上がってくるためやっぱり撹拌しながらじっくり染める浸染が向いています。

▼とゆうことでいくつか染めてみました。

こちらはネットショップにて。
※一部染めムラや染め汚れがありますがご了承ください。

たばた

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第1892話:夏休みの自由研究

2018年8月28日 

夏休みの終わりごろ京都では地蔵盆があり早いところでは昨日から児童たちが登校しておりました。まだまだ残暑厳しい毎日ですがいつのまにかセミの鳴き声もしなくなり夏の終わりを感じる今日この頃、今年もたくさんの方が雪花絞りを手にしてくださいました。
雪花絞りは自然現象を利用して偶発的に模様が出るため再現性が非常に難しく同じ色や形を出すのは極めて困難です。本日は夏休みの自由研究と題して雪花絞りの原理について少しだけまとめてみました。

本日は「夏休みの自由研究」

▼用意するものは三つの容器と乾いた布。

▼両端の容器に水を入れ、それぞれ青と黄色の染料を入れます。

▼両方の染液から真ん中の容器に布を架けます。

▼重力に逆らって布が染液を吸い上げます。

背の高いヤシの木なども地下深くに溜まった雨水を根から吸い上げ木全体に水分が届くそうです。

▼両方の布の先からポタポタと雫が落ちてきます。

▼数分のうちに溜まってきました。

▼新しい布を用意してそれぞれのカップに浸してみます。

▼このように真ん中のカップには青と黄色が混ざり緑の液を作ることができました。

雪花絞りはこういった「毛細管現象」を使って色を混色させて染めるのですが、製品には吸い上げやすい布や吸い上げにくい布、元々色の付いた布もあります。さらには色によっても吸い上げやすい色や吸い上げにくい色もあり染め液の温度によっても大きく吸い上げ方が変わります。もっと細かく言えばその日の湿度や気温によっても変わります。その吸い上げ方が一滴でも多く混ざると色も変化します。それを13mの長さに均等に模様を出すとゆうのは奇跡に近いと僕は思います。言葉では“畳んで、挟んで、浸ける”だけなんですけどね(^^;

【はなもとめの予定】
9月17日OSAKAアート&てづくりバサール(ATCホール)
9月22日~24日京都アートフリーマーケット(京都文化博物館別館)
10月13日14日BORDER!(京都みやこめっせ)

ネットショップminne販売中

たばた

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第1864話:ムック本カバン染色

2018年4月18日 

染色の染めムラや色ブレなどのほとんどは生地の状態で大きく変わります。一見真っ白で何も付着していないように見える生地でも生地が織られる際の糊やチリや埃や光沢を出すための科学薬品や油などなど・・目には見えない染色には不純物なものが生地に沢山付着しております。これらを取り除かないと思った色に染まらなかったり均一に染まらなかったりします。ですが染色することを前提にしていない生地にはどうやっても取れない不純物もあり、それが目に見えればいいのですが染色してから結果として色ブレや染めムラとして浮き上がってくるもですので染色ミスとなってしまうのが浸染めの痛いところではあります。しかし縫製後や絞り加工後でも染めることができるのは浸染の良さだと思います。

本日は「ムック本カバン染色」

▼「カバン付き|SOU・SOU 15周年記念オフィシャルファンBOOK」通りかかった本屋さんで購入しました!!

▼付録の肩掛けカバン 穏大 肩ゆい。

▼さっそく染めてみようと思います。まずはしっかり糊抜き。

▼今回は反応染料で無地染めを行います。

▼青と黄色を混色して緑で染めたいと思います。

▼濃い目に染めたつもりですが、やはり染色後取り除ききれなかった糊と一緒に染料も若干ですが流れてしまいました。

▼結果少し薄目の黄緑で完成です!!

少し楽しんだ後は抜染して別な色に染めてみたいと思います。

たばた

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第1842話:桜の代紋

2018年2月24日 

浸染を経験されている方はデータ化しても再現性が難しい事は分かっておられます。特に絞りのような加工が施されているものを浸染する際は勘だけしか頼ることが出来ません。
染色をする際しっかり染めたいのは当然ですが場合によってはしっかり染めてはいけない時があります。反応染料で染められた無地の手ぬぐいを畳みスレン染料で染色すると無地色を残しつつ染め変えた色で雪花が表現できます。これが着抜雪花絞りです。
しかしスレン染料をしっかり染めたいと思い浸透剤などを入れてしまうとしっかり染めたことが仇となり無地染め部分を殺してしまうことになります。これを二度染めしてしまうと無地色はほとんど消えてしまいスレン染料の二色染め雪花絞りになります。着抜雪花絞りでしっかり染めたいとゆうのは着抜雪花を経験していない人がキレイに染める事だけにこだわった大きな間違いです。着抜雪花絞りは微妙な染めつきこそいい味として出るわけです。
データ通りの染色やしっかり染めとゆうマニュアル通りの染めは実戦で失敗してしまいます。
経験こそ成功の秘訣です!

本日は「桜の代紋」

▼京都府警のあぶない刑事ことTさんからのご依頼。糸入れした手ぬぐいを黄色で染色。

▼防染して、黒に染色。

▼カッコイイ!!!Tさんありがとうございました。

※明日から「はなもとめ」と一緒にブログを更新していこうと思います。どんな人がどんな風にモノづくりをしているか身近に感じて頂けたらきっと日本の伝統は受け継がれていくと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

たばた

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第1841話:ほぼ完成

2018年2月23日 

大人になって社会に出ると親や学校の先生や友達や先輩のように親身になって怒ってくれたり注意してくれたりとゆう学生時代に比べると直言する人が少なくなり自分に都合のいいことだけを信じ真実が見えなくなってしまうことがあります。情報に惑わされず自分の目で見て経験した方がいい!!アルバイト時代に先輩が言っていたなぁ、当時は聞いてませんでしたが。

本日は「ほぼ完成」

▼アングルを購入!!これをカーポートとの柱に固定しました。

▼給水管を固定する為!!と思ったのですが・・・、ここで重大な計算ミスをしてしまった。

よく考えたら給水管は固定できても蛇口はグラグラ・・。

▼仕方ないので保温カバーを取り外してやり直し。

▼全てカットして座付きのものに交換しました。

▼保温材を巻き直して完成!!ワーシャーも取付けました!!
(この後蛇口の根元もしっかり保温テープを巻き付け凍結防止は完璧です)

▼もう少しで完成ですがお金が足りないのでほぼ完成とゆうことで一旦終了。もうしばらくカップ麺生活を頑張ろう・・。

かゆい所に手がとどく。無駄な動きをしたくない。無駄なお金をかけたくない。
要はお金で解決できないので自分でやったとゆうことです・・貧乏人は器用なんです!

たばた

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