第1760話:雪花

2017年3月17日 

3月はお別れの季節でもあると思います。私も今までに幾度と別れを経験してきました。
ふと思い出したのが学生時代の頃です。当時レストランの厨房でアルバイトをしており一つ年下の後輩がいました。彼は母親と二人で暮らしていてお昼は母が作ったとみられるお弁当を持ってきており「家計を助ける為に頑張ります」と日々共に汗を流し、時には叱ることもあったのですが仕事に大して真面目で慕ってくれていたので良き後輩として弟のように可愛がっていました。そんな彼がある日を境に遅刻が多くなり髪を染めて少し派手な感じになりついには無断欠勤で辞めてしまい、その後は音信不通になり数年が経ったある日の深夜彼とばったり街で会いました。

「おおっ!久しぶりやな!元気にしてたんか?」

僕もレストランは辞めて就職していたのですが彼のお母さんが苦労したはったので大丈夫なのかなとずっと気にはしていました。すると彼は僕を見るなり、

「田端さん、ちょうどいい時に会えてよかったです!お金貸してもらえません?」と。

えっ?ずっと連絡もせずに久々に会っていきなり?理由を聞いてみると、その後レストランをクビになり友人の誘いでホストクラブで働き家にはほとんど帰っていないとゆうことでした。そしてこの日は居酒屋で宵越しの金も残さず飲み食いしたとゆうわけで、

「田端さん、タクシー代とタバコ代貸してもらえません?明日返しますし!」

その時の感情は態度の悪さに腹立たしい気持ちよりも久しぶりに会った嬉しさと、何はともあれ元気に仕事はしているようで良かったとゆう安心と、なんとなく寂しさがあったことを覚えています。

「わかった。タバコ代までは貸すつもりないけど終電も無くなったしタクシー代や!もう二度と返しにも来なくていい」とベロベロに酔った彼にお金を渡し別れを告げました。

で、いくらお金を渡したの?と聞かれると実は格好つけて一万円札ぐらい渡したかったのは山々ですがその時財布に800円ぐらいしか入ってなくて“あ~ここで800円渡したら明日昼飯買えへんやん!!ってゆうかなんでこんなやつに金やらなあかんねん!いや、でもせめて最後は先輩としてのけじめでワンメーター分ぐらいか。”で500円とゆう格好のつかない金額だったとゆう。

本日は「雪花」

▼浴衣ように沢山染めております。まだまだ~!!

別れと出会いを繰り返して人は成長していくのかなと思います。

たばた

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