2011年10月7日 

第93話: 着抜

SOU・SOU×たばた絞りの製品に使っている染料の大半は堅牢度の高い(色落ちしにくい)化学染料を使用しております。その為、一度染めた色を抜く(白に戻す)事が出来ず、色の上に色を重ねて模様を表現しておりますが、中には着抜(染めた部分を白く抜き、さらに上から着色をすること)で模様表現しているものがございます。

本日は「着抜」をご紹介させて頂きます。

▼こちらは着抜を繰り返して染め分け模様を表現した着物です。

染色順ですが、

1、初めに一反全てを「灰色」に染めます

2、灰色部分を帽子絞りで残した状態で、一反全てを「黒色」に染めます。

3、黒色の部分を帽子絞りで残した状態で、抜染(白に戻す)します。

4、白に戻した状態から「赤色」に染めます。

5、灰色と黒色の帽子絞りを解き、灰色と黒色と赤色を大きく帽子絞りで包み込んだ状態で抜染(白に戻す)します。

6、白に戻した状態から「黄色」に染めます。

7、完成です。

着抜を繰り返す事で反対色の色を使った染め分け模様を表現することができますが、色や生地によっては、白く抜けきらない場合や、帽子絞りの中の色まで抜け過ぎてしまう事があります。染色では色の事はもちろん、染料の特性や生地に対する染め付き方を把握していなければなりません。

奥が深くて非常におもしろいです。

たばた

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