2017年1月12日 

第1741話:成人の日に

こんな新聞記事をみつけました。

<母のお弁当>
私の母は昔から体が弱く、それが理由かは知らないが母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えないほど質素で見映えの悪い物ばかりでした。
友達に見られるのが恥ずかしくて毎日食堂へ行きお弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝母が嬉しそうに「今日は〇〇の大好きな海老入れといたよ」と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま学校へ行きこっそり中身を確認した。
すると確かに海老が入っていたが殻剥きもめちゃくちゃだし彩りも悪いしとても食べられなかった。 家に帰ると母は私に「今日の弁当美味しかった?」としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、いつもの母の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたよ!もう作らなくていいから」とついきつく言ってしまった。母は悲しそうに「気付かなくてごめんね…」と言いそれから弁当を作らなくなった。
それから半年後、母は死んだ。私の知らない病気だった。 母の遺品を整理していたら、日記が出てきた。 中を見ると弁当のことばかり書いていた。
「手の震えが止まらず上手く卵が焼けない」 日記はあの日で終わっていた。
後悔で涙がこぼれた。

こんなお話を読んで、
携帯やスマホが当たり前のようにあって手紙なんて書くことも無くなりました。
お弁当だって今の時代コンビニに行けば24時間いつでも食べれますし、大抵のものは別に手作りじゃなくてもそれ以上のモノが手に入ります。手作りって一生懸命作ってもやっぱり機械やコンピューター程キレイには仕上げる事が出来ない「汚れてる」「キレイじゃない」「古い」って人が見て言うのだから作ってる本人は一番よく分かってる。手で作る意味あんのかなって時々思う事があります。

そんな成人の日にSNSで
「今日娘の成人式でした。私が亡き母に作ってもらった振袖を着てくれました。ショールではなくたばた絞りのきさらぎを羽織り式典へ。皆さんに大好評だったそうです。大切な日にたばた絞り。たばたさん、ありがとうございます。」
とゆう内容が書かれたものをみつけました。

本日は「成人の日に」

▼お母様の振袖を着られたばた絞りのきさらぎを羽織られた娘様のお写真。

気持ちを込めて作って良かった。

この度はご成人おめでとうございます。お母様のような素敵な大人になって下さいませ!!ありがとうございました。

たばた

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