本日も引き続き「京・雪花絞り」についてご紹介させて頂きます。
有松で雪花絞りをされておられる張正さんの工房には一度だけおじゃまさせて頂いたことがありますが、「木下大サーカス」を見た時と同じでした。ただ目を輝かせて「うわー、すごーい」と興奮しただけで、「どうやって染めておられた?」とか聞かれても「絞り染めとかではなく、マリックのような超魔術だった」としか言いようがなく長年絞りをされている京都の絞り職人達も「あれは出来ない」と技術者どころか挑戦者すらいませんでした。
▼雪花絞りで分かっていたのは「畳む」「挟む」「染める」だけでした。手ぬぐいを「畳む」「挟む」「染める」。これを100回繰り返して無理だったら諦めがつくだろうと思いました。
生地代も積もり積もれば結構な金額で、染料も安くは無く相当なお金がかかります。
300回ぐらいでさすがに染料屋さんにも顔も覚えられ、「いつもの・・」で通じます。
400回ぐらいからさすがに家族に怒られ始めます。
何度やっても「雪花」が出来ず気が付けば500枚もの失敗作に埋もれていました。
「もう良くやった、諦めよう」と自分に言い聞かせても「本当によくやったと言えるなら、それは雪花が出来たときじゃないか」と思う自分が同じ事を繰り返します。
たばた