第1593話:電動自転車

2016年2月29日 

絞りを始めようとした人がいないまま30年程経った頃に僕がこの仕事を始めて今で11年目になります。
結果だけを求めずに毎日続ければ確かに失敗ばかりかもしれません。でもそんな失敗も全て自分の身に付きます。経験とゆうのは自分だけのもので自分の技術として反映されます。僕が経験した事に無駄な事は一つも無くたばた絞りを買って損をさせないと言い切れる自信を持っております!
そして今は、真似されて困るような技術に興味は無く、一人でも多くの人に知ってもらえる技術を追い求め、沢山の人に与えられる職人を目指し日々頑張っております。

本日は「電動自転車」

▼今月が11年目にして一番忙しい月でした。糸が何万回と指に擦れ手もボロボロ。
明日もここを糸で擦る事に・・地味に痛い。

▼汚い手はさておき、早いもので2月も終わり明日は親父の誕生日。とゆうことで電動自転車を買ってあげました!

▼スカートが巻き込まないようになってるそうです。まぁ親父がスカート穿いて乗ってたら即通報しますが!

最強の自転車贈ったことだし歳も歳なので車の運転は少し控えてもらわねば。

たばた

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第1592話:シミトリ機

2016年2月27日 

外国産と価格競争され日本の沢山の職人が廃業に追い込まれていきました。ですが何年か経って“やっぱりもう一回やってくれへんかなぁ”と言われる事があります。毎日コンビニ弁当食べてたら時々家の飯食いたいなぁって思ったり、何枚かに一枚年賀状が手書きだったり、バレンタインでもらうチョコが手作りだったり、ウチの畑で採れたよって野菜を頂いたりすると心温まるものです。こういった感情は外国での流れ作業や機械では得られなかったそうです。失ってからでしか気付きにくいものなのですが一度失ったものはもう二度と元には戻れず惜しまれ終わっていきます。今でこそ同じ物が大量に作れたり安くで外国に依頼出来たりしますが、だからこそ伝統を大事にていきたいと思うわけです。
5年程経った頃“頑張ってくれよ”と言われていたはずの声が少なくなり批判される事の方が多くなってきます。身に覚えのない噂が広まり、仕事を止められたり、誰やねんって人から電話で文句を言われたり、しまいには技術を盗んで飯食うてると盗人呼ばわりされたり・・。
ラーメンの上にネギとかチャーシューとか乗せたら、他のラーメン屋さんが「お前ウチのラーメン見てみぃ?ネギ乗っ取るやろ!真似するなこの盗人!」ってなりますかね?たくあん乗せて“たくあんラーメン”ってのがカブってたなら謝った方がいいと思いますが・・。
続きは次回に。

本日は「シミトリ機」

▼一分で7000回?凄いな!!高橋名人入ってんのか?
叩いて叩いて叩きまくって汚れを落とすのですが、
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いざ使ってみたら、これ自分の連打の方が早いな!

たばた

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第1591話:ビックリマンシール

2016年2月25日 

帯、帯揚げ、付け下げ、振袖、三つ身、浴衣・・・色んな絞りをさせて頂くと随分腕も上達していきます。今ももちろん着物も絞っておりますがブログに載せるのはNGとゆうのが多いのでトラブルにならないように載せておりません。着物の仕事はほんと時々あるぐらいで、時々あるだけでもいいやん!って言われるぐらい無いです。僕だけに限らず業界全体の着物の加工依頼は相当激減しました。絞りに限らず友禅も西陣織なども同じです。
でも行くところに行くと加工された着物が山積みに置かれていることがあります。
海外に送って外国の方が着物になるなて知る由もなく絞られものです。
「これだけの仕事量が日本の職人に行き渡ればあの人もあの人も廃業せずに済んだだろうな」って量です。と思っていても外国では安い賃金で加工されるので安く安く早く早くと思えばそうなるのかな。日本の伝統工芸は外国人に守ってもらう!誰かがそう言い始めました。
続きは次回に。

本日は「ビックリマンシール」

▼30年ぐらい昔に集めていた旧ビックリマンシールが出てきて懐かしいと眺めてると、

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どこの店で買ったか誰と交換したシールかほんとに記憶が蘇る!凄い!!

たばた

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第1590話:トルネード?

2016年2月24日 

始めから何万円何十万円、物によっては数百万円するような着物を絞るわけにもいかないので、まずはネットやお店で白Tシャツやハンカチやハギレ生地を買って適当に思いのまま絞ってみます。それを染め屋さんに持って行って染めてもらいます。染め終わったら自分の絞ったところを見ながら“なぜこうなったのか?”“こうするにはどうすればいいのか”“次はこうやってみよう”と何度も何度も絞っては染めてを繰り返します。染め屋さんが「練習か?これぐらいならタダで染めといてあげるよ!」と言って下さる方もおられたのですが、お気持ちだけ頂き僕は毎回きっちりお支払いしてました。その方が失敗した時の惜しさも成功した時の喜びも身に沁みますし次の一回を大事にしようと気持ちが入るからです。それに染め屋さんだってハギレだろうと手間は同じですから。と言っても高々数百円の生地とはいえ何百回何千回繰り返してると結構な金額になります。
その染めたハンカチやTシャツ売ればいい!なんなら一緒に売ってあげるよって言って下さることもあったのですが、なんか嫌なんです!失敗したものを人に見られるのが恥ずかしいとゆうか、自分が納得してないものを買って下さる方がいたらその方に申し訳ないとゆうか。不思議なもので徐々にそうゆう気持ちが芽生え結局雑巾としてあちこち拭き掃除しては捨てていました。3年ぐらいして自信が付いてきた頃、ちょっと簡単そうな絞り模様の依頼がありましたので緊張しながら初の本番です。やっぱり自分で自由に作る絞りと依頼された絞りとでは全然違って難しいのです。何度も何度も見直したのですが染め終わって仕上がると全然模様通りにならずお叱りを受けました。7,8年は前の話ですがその事を棚に上げて未だに“あいつは下手な職人だ”と笑いものにされるので厳しい世界です。
「安心してください!二度と引き受けませんので」
続きは次回に。

本日は「トルネード?」

▼ここ数ヶ月は激忙しく絞り過ぎで手がしびれた状態で感覚がありません。
とゆうことで銭湯にでも行ってトルネードしてこようか。

同級生ん家の銭湯。昔ながらの銭湯。まだまだ頑張ったはる。

たばた

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第1589話:ひっかけ針

2016年2月22日 

まずは材料や道具などを買い揃えるのに初めは結構な自己資金が必要です。そして仕事を始めてもすぐに物が作れるわけではなく基礎を学んで実践を踏まえ失敗を繰り返し腕を磨き、ようやく形になってくるのが3年~5年目ぐらいからです。その間この仕事ではほぼ無収入で出費だけが嵩んできます。京都市内では“伝統産業製品の製造に従事する若手後継者の皆様に育成資金を交付することによって伝統産業における後継者の確保と養成を支援しています”とゆう取組もあります。要するにはそこそこ出来るようになるまで材料費ぐらいは支援しますよといった制度です。
僕自身も該当者として周りの方から推薦まで頂きましたので申請を出しましたが市からの返事は“不採用”と一言書かれた紙が送られてきただけでした。なぜなのか問い合わせても理由はお答えできないとのこと。せめてなぜダメだったのか理由ぐらいは聞かないとダメな所を直すことも出来ず、この制度は一体誰の何のためにあるのか僕にはよくわかりませんが受給してすぐに辞めたり全く従事していないにもかかわらず不正に受給していたりと制度を悪用する人がいるから疑う人もいるわけでこうゆうのは本当に支援をして欲しい人には届かないものです。まぁ僕は最初から誰かに支援してもらおうなんて思っても無かったですし、そんなもんこっちから願い下げですよ!一人分浮いた金でマズい飯でも食ってろと!見返してやろうじゃないか!必ず京都の絞り職人となって京都市から何か頼まれた時“不採用”って一言言い返したろ!って思いがありました。
結局、前職で貯めていた貯金で材料と道具を購入して7時から17時まで絞りの練習。19時から深夜までレストランでアルバイトとゆう生活を3年間続けました!もちろんクソしんどかったので早くアルバイトを辞めたいがために必死で絞りを勉強しました。
続きは次回に。

本日は「ひっかけ針」

▼二つありますが、

▼隙間が広いのと

▼隙間が狭いのとあります。

微妙ですがちょっとの差で仕事量は大きく変わります。

たばた

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