2011年11月6日 

第123話:菱重ねの轍~その壱~

忍者が逃走中、追跡者を振り切るために水草であるヒシの実を乾かした「マキビシ」をばらまいたそうです。「マキビシ」には鋭く硬いトゲがあり、長靴を履いていても踏み抜くと大けがをします。

本日は菱を使った板締め絞り「SOU・SOU×たばた絞 手ぬぐい/菱重ねの轍」をご紹介させて頂きます。

▼「菱」は沼や池に自生する水草で、三角状の葉を広げ、

▼夏には白い花が咲きます。

▼「実」は菱形で両端に鋭いトゲがあり、実の中の種は古くから食用とされ、硬い殻を割るとクルミのような実があり、保存用の食料として縄文時代の遺跡からも発見されたそうです。

▼鋭いトゲを持つヒシの実には邪気を払う力があると信じられ、その名残から、ひな祭りの際の菱餅にヒシの実が原料として使われ、菱型にした御餅を食べることで無病息災で将来の幸福が約束されると現代に受け継がれています。

▼更に、ヒシに破邪の霊力があると信じられた時代、武家は自らを正義とし、菱形(菱餅)を旗印とし、家紋に採用する家もありました。家紋としては甲州武田氏の武田菱が有名です。

古くから伝わる由緒ある「ヒシ」も、今や雑草扱いとなった現代ですが、SOU・SOU×たばた絞りで菱の魅力を表現してみました。

▼こちらが、板締め絞り手ぬぐい「菱重ねの轍」に使う正義の板です。材質はヒノキを使用しております。香りがとても良いです。(匂いは関係ありませんが)

▼大小にカットした菱型の板、

▼菱だけでこんな模様も

▼三菱のスリーダイヤモンドマークも同じような由来があるそうです。

ここまで「菱」を持ち上げたからにはバシッと染め上げてみたいと思います。

続く・・・。

たばた

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