2011年9月8日 

第64話:はなもとめ~番外編~

昨日の続きですが、その前に・・・、

本日は「番外編」です。

絞り用語に「目をうつ」や、「なく」、「目がまわる」という用語がございます。
いずれも染色した際に、白く残る防染部分に染液が浸透して、防染部分が汚れたようになったり、ぼうし絞りなどの防染部分に染液が浸入して輪郭が崩れたりすることを表現する言葉です。熟練された者でも手作りに失敗は付きものです。

▼「平縫い締め絞」


五葉の松ですが、本来は緑の松の下に白い平縫い締め絞りがあるはずなのですが「目がまわり」虚しくも針穴だけが残り60枚没・・・。


▼「雪花絞」

特に目立った失敗はないのですが、どことなく納得がいかず300枚没・・・。

▼「横引き鹿の子絞」

二ヶ月かけて数万個括られた総絞りの帯上げですが、無理な解きで破れてしまい、仕上がる10秒前に没・・・。

▼「小ぼうし絞」

括り忘れ。何度も見直したはずが、所詮は人間です・・・。

▼「タコぼうし絞」

ナイロンに切れ目・・・。洗礼です・・・。

▼失敗の山の一角ですが、

全て一針づつ縫って、丁寧に染めたはずの物ばかりですが、失敗は失敗です。畳む気持ちにもなれずほったらかしですが、私には貴重な経験が出来たので宝の山に見えます。
とゆうのはキレイごとで、見るだけで思い出してしまい気絶しそうです。年配の方に失敗されると「なんでも経験や!若いうちにしとけ!」や「バブル時代のワシらの若い頃は・・」と武勇伝で逃げる方もおられますが、正直その話はもういいですので・・・。

せっかく苦労して括りあげても、括りの甘さ、染浴の時間、温度など、色んな要素によって括りと染色との呼吸がぴったり合っていないとこうゆう結果になります。
絞り染は友禅染などと違って、括りあげ、染色して、これを解いてみないと、その出来上がり具合がわからないという、他の染色品にみられない難しさをもっています。
下絵~仕上がりまで関わってくださった方の苦労を見た者、経験した者にしか分からない「無駄にしたくない」とゆう気持ちで、毎日時間がかかっても最後の最後まで気を抜かず丁寧に作業を行っています。

<おしらせ>
平成23年9月25日(A),26日(B),27日(A),28日(B),29日(A),10/2日(B)
A=田端和樹
B=田端正美(父)
西陣織会館にて絞り実演をさせて頂きます。
京都市上京区堀川通今出川南入
TEL(075)451-9231
FAX(075)432-6156
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伝統産業見学施設
開館時間 AM9:00 ~ PM5:00
入館料 無料
会館内容
 きものショーの上演、西陣織の製織実演、
 西陣織の展示即売、手織体験、舞妓衣裳、
 ホビー教室、十二単着付、アートインテリア教室
 レストラン、駐車場完備
お近く来られましたら是非お立ち寄り下さいませ。

たばた

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